留学報告
2019-02-22
昨年夏からアメリカに留学中の藤野圭太郎先生(平成22年入局)から留学の報告が届きました。引き続き研究を頑張って下さい。
アメリカでの腱に関する基礎研究
藤野 圭太郎(平成22年入局)
2018年夏より、アメリカのペンシルバニア州フィラデルフィアにある、University of Pennsylvania Mckay Orthopaedic Research Laboratoryに基礎研究を行うために、留学をさせていただいています。研究室長であるLouis J. Soslowsky教授は腱に関する研究においては、アメリカの第一人者であり、研究室には各国からの留学生を含む100名を超えるメンバーが、14のチームに分かれて、日々研究を行なっています。その中でも私はSoslowsky教授と Nathaniel Dyment先生の2つのチームに所属し、主に腱損傷後の治癒過程における研究に携わっています。
アメリカの整形外科研究部門のなかで3番目に多くの対外資金を集めている研究室だけあって、その施設の規模やできる手技の多様性に、初めて来た時には度肝を抜かれました。半年経過した今でも、時々見たことのない部屋や機器に出会い驚かされることがあります。当初は研究手技や理論を習得していくのに、英語の壁もあり苦労をしていましたが、週2回のミーティングを重ねるうちに、現在行なっている研究の面白さや、その革新性について理解できるようになり、今では毎日とても充実した日々を送っています。特にDyment先生とともに行なっている、前十字靭帯再建後の骨孔内における移植腱の癒合過程や腱損傷後の治癒過程を、遺伝子組換えマウスを用いて追跡する研究はとても興味深く、なんとかこの研究で結果をだし、論文を書けるように日々頑張っているところです。
また、異国の土地で生活することは、留学の一つの醍醐味だと思います。言語の違いはもちろんのこと、価値観の違いやアメリカに根付く文化を肌で感じつつ、休日に家族と観光や買い物にでかけることは、一生の思い出になります。私もまだ留学中の身でありますが、当教室に入局し整形外科学を学ぶ先生方には、是非とも留学を勧めたいと思っています。