入局希望の方へ

ホーム > 入局希望の方へ

入局を希望される方へ 教授からのメッセージ

「 お も し ろ い 」 が モットー

 大阪医科薬科大学に赴任して10年が過ぎました。
赴任して最初に掲げたのが以下の3点です。(「整形外科学教室について」参照)

 1.臨床:高度で先進的かつ安全な医療を提供すること
 2.研究:医師や医療の底上げをする理論を構築していくこと
 3.教育:疑問を持ち、合理的に考えることのできる整形外科医を育成すること

これらに共通するのは、与えられることだけに満足せず合理的な考えに基づいて新しい医療を開拓していこう、追いつくことだけを目標とせず狭い分野でも良いから自らトップに立とう、という姿勢です。
そしてこの10年間、教室員も上記をよく理解してくれ、教室は徐々に変わってきました。

 臨床においては、今迄ほとんど行われていなかった高難度の上位頚椎手術や頚椎のインストゥルメンテーション手術が、多くの紹介をいただいて盛んに行われるようになりました。関節鏡視下に行われる肩の上方関節包再建術は当科のオリジナルな手術法で、現在世界中で追試が行われています。股関節疾患の新しい流れである大腿骨寛骨臼インピジメント(FAI)の鏡視下治療でも日本をリードしており、多くの手術見学者を受け入れています。足の外科や整形外科の全分野に渡る関節鏡視下手術やエコー診断も有名です。


研究については、軟骨や腫瘍の基礎研究に加え、臨床研究も積極的に行っています。日常の臨床に直ちに反映できる臨床研究は、外科医としての視点が不可欠であり、研究をしながら外科医として一連のキャリアを保つことができるのが利点です。その他、手術用ロボットの日本導入や新しいインストゥルメントの開発など、企業と連携しての研究も推し進めています。

以上のように、教室には各分野の先端を目指す環境が醸成されつつあります。そして、これらの原動力となるのは、単純に「おもしろいと思うことをしよう」です。「いま流行っているから」とか「指示されたから」などといった動機では、アカデミックなことは長続きしません。「何故こうなのだろう?」とか「これを何とかできないものか」といった心の底から自然にわき上がってくる気持ちが重要です。私の仕事はスタッフや大学院生に「おもしろさ」を追求できる自由(もちろん本人の責任を伴います)を与え、いろいろな希望をできるだけ叶える方向で後押しをすることだと考えています。


このような教室の未来を支えるのは、若い整形外科医です。この10年間で教室のメンバーもかなり若返りました。特に教室の最若手であるレジデントについては、最初の年は2人でしたが、昨年は8人、今年は5人となり嬉しい限りです。若手が多いというだけで教室にはますます活気が出てきました。

レジデント諸君によく言っているのは、「大学にいる一年の間に、一度くらいは指導医の鼻を明かせ」ということです。
基本的に外科系は体育会のノリのところが多く、先輩の言うことは絶対という雰囲気があります。それも確かに大切ですが、あえて上記のようにハッパをかけています。

指導する側は合理的な根拠を持って指導し、指導を受ける側は「なぜそうすべきなのか」を常に意識して行動する、ということが当教室のレジデント指導の目標です。
レジデントといえどもれっきとした医師であり、自分で患者さんの話を聞き、診察し、画像を読んで、診断をつけなければなりません。
最若手でも、自分で考え、それが正しいと思えば遠慮無く意見を言うことができる、そんな教室にしたいと思っています。そして、若手も自分が独立した存在であることを認識することによって、「仕事がおもしろくなる」と信じています。

自由な環境で、一緒に「おもしろいこと」を追求して行ってくれる若者を整形外科学教室は待っています。

令和5年4月
大阪医科薬科大学整形外科学教室
教授 根尾昌志

 

大阪医科薬科大学附属病院整形外科専門研修プログラムの特徴

当教室では早くから専門研修プログラムの作成に取り組み、専攻医に対して魅力あるプログラムを提供しています。初期臨床研修を終了した皆さんは、整形外科医として後期臨床研修を開始する訳ですが、この4年間は非常に重要な意味を持ちます。当教室の専門研修プログラムは大学病院を中心として太陽系形式の研修プログラムです。

太陽系形式の専門研修プログラム

大阪医科薬科大学附属病院整形外科専門研修プログラム

①1年目:大阪医科薬科大学整形外科(基礎的な手技と論理的思考を身につける)

 整形外科は運動器を扱う守備範囲の広い科であり、サブスペシャリティは多岐にわたりますが、当教室では各専門領域の指導医が在籍し、大学病院としての高度な医療を提供しています。様々な症例を、上級医と一緒に経験していく中で、基礎的な知識や手技を自然と身につけることができます。また研究面においても各グループで独創性のある研究を行っており、研究成果を世界に向けて発信しています。また近隣の関西医科大学と相互に連携しており、希望があれば3か月間、関西医科大学での研修も可能です。

②2年目以降:連携病院での研修(経験の蓄積とスキルアップ)

大阪医科薬科大学整形外科での1年間の研修後は、基本的に1年毎に当教室の連携病院を3年間ローテーションします。連携病院においては、骨折等の外傷の診断と治療だけでなく、専門分野に特化した外傷や疾病の診療の研修が可能です。大阪医科薬科大学の研修プログラムでは、専門医試験の受験に必要な全領域の単位が確実に取得できるようにローテーションを組んでいます。この後期臨床研修期間を通して、将来自分が進むべきサブスペシャリティを選択することも可能です。

③整形外科専門医の取得後

 専門医試験に合格後の進路としては、大きく分けて大学院へ進学するコースと、直接サブスペシャリティ領域の研修に進むコースがあります。大学院へ進学する場合、研修終了の翌年度より整形外科に関連する大学院講座に入学し、主に基礎研究を行います。大学院卒業後はサブスペシャリティ領域の研修に進み、各分野の臨床、研究に従事しますが、国内外への留学で、さらに研究の幅を深める選択肢もあります。一方、研修プログラム終了後にサブスペシャリティ領域の研修に直接進む場合には、進みたい領域の専門診療班に所属し、大阪医科薬科大学整形外科ならびに連携施設において臨床医として専門領域の研鑽を積みます。

詳細は下記をご覧ください。
公益社団法人日本整形外科学会ホームページ
大阪医科薬科大学附属病院整形外科専門研修プログラム(PDF)
2024年度 専攻医登録・応募について

これら当教室の研修システムに対してご質問、見学希望などがございましたら研修担当 宇佐美嘉正 までお気軽にお問い合わせください。