⽇仏整形外科合同会議に参加して
2019-10-04
整形外科学教室 レジデント 澄川 美奈⼦(平成31 年⼊局)
この度、2019年9月14日・15日にフランスのリオンで行われた第15回日仏整形外科合同会議(Association Franco-Japonaise d`Orthopedie:AFJO)に参加させていただきました。研修医での学会発表は別として整形外科医としてまともに学会発表もしたことがない私でしたが、いきなり海外でoral発表させていただくという大変貴重な、贅沢な経験をさせていただいたのでご報告させていただきます。
AFJOですが、日本とフランスの整形外科領域の学術交流を目的とした学会で、1990年より2年ごとに日・仏交互の地で行われています。今回の会場はフランス南東部のローヌ・アルプ地方に位置するフランス第2の都市“リヨン”でした。
この学会に脊椎班の先生方が参加すると知り、興味津々でお話を聞いているうちに「演題出してみたら?」と言ってくださり、藤城先生に自らお願いし発表させていただく事になりました。演題は「Hidden pathologies diagnosed after cervical surgery in patients with degenerative cervical myelopathy or radiculomyelopathy」、頚椎症性脊髄症に何らかの疾患が併存しており、術後に残存する症状から診断に至った3症例のcase reportです。整形外科での発表、ましてや英語での発表ということもあり、右も左も分からない状態でしたが、藤城先生・矢野先生に指導していただき少しずつ準備を進め発表を向かえることができました。
英語での発表にかなりビビっていたのですが、いざ本番となると周りに大阪医大の先生方が沢山いてくださったおかげか、思っていたほど緊張することなく無事に終えることができました。しかし、質疑応答では質問内容が理解できず藤城先生が代わりに答えて下さりました。他の発表者の時は何となく理解できていたのに、いざ自分の番となると全然理解できず、とても悔しい思いでした。藤城先生に何から何までお世話になりっぱなしで、感謝の気持ちと同時に英語力の必要性を痛感しました。整形外科の勉強と共に、英語も今後の課題になりました。また、研修医時代の同期の女の子も発表しており、とてもいい刺激を受けました。研修医時代にお世話になった先生や他大学の先生とも交流することができ、大変貴重な機会となりました。
1日目の学会後は、学会主催のボジョレーツアーに参加しました。リヨンの北に位置するボジョレー地方までバスで連れて行ってもらい、景色の良い小さな街やワイナリーを巡るというものです。あのボジョレーヌーヴォーを本場で試飲、ワイン好きにとっては何とも贅沢なツアーです。また、景色も広大で、そこで飲むワインはとっても美味しかったです。
2日間の学会の後は、リヨンの街を楽しませてもらいました。リヨンはソーヌ川とローヌ川が合流する地点にあり、ローマ時代からの長い歴史を持つ世界遺産の街です。とても綺麗な街で、穏やかで平和な空気感でした。
そして今回の旅を語る上で欠かせないのが、“電動スクーター(Lime)”の存在です。リヨンに行って驚いたのですが、街のいたるところにLimeが転がっているのです。どうやら、アプリをダウンロードしてQRコードを読み取ると、それだけでレンタルできて、しかも乗り捨てできるというこの上なく便利な乗り物なのです。アプリでLimeがある場所と、残りの充電まで分かります。ちなみに夜間に業者が回収して充電しているようです。私たちも早速アプリをダウンロードしました。ホテルから学会会場へ行く際に、デモの影響でなかなかタクシーがつかまらず、みんなでLimeに乗って行ったのはいい思い出です。移動に便利で、風がすごく気持ちよくて、何より楽しくて、ついつい多用してしまいました。
リヨンはフランスを代表する“美食の都”とも言われています。学会2日目の夜にはリヨンを代表する有名三ツ星シェフ、Paul・Bocuse氏の系列レストラン“Brasserie le Nord”で食事を楽しみました。
また、リヨンといえば“Bouchons(ブション)”と呼ばれる郷土料理が楽しめる大衆食堂が有名です。旧市街のあたりには沢山のBouchonsが軒を連ね、活気で溢れています。適当に選んだお店にふらりと入ってみたのですが、どれも美味しい!(ただしかなりボリューミーです)ワインにお肉に、フランスの大衆料理を存分に楽しみました。
今回、このような貴重な機会を与えてくださった根尾教授、この学会に誘ってくださった藤原先生、ご指導してくださった藤城先生、矢野先生はじめ、サポートしてくださった脊椎班の先生方、また私が不在の間に病棟をみてくれていた同期に心から感謝いたします。自分の未熟さを学ぶと同時に、今後またこのような場で発表できるように頑張ろうと思いました。今回の経験を糧に向上心を持って学んでいきたいと思います。ありがとうございました。