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お知らせ

上腕骨近位骨端線離開が上腕骨後捻角度に及ぼす影響

 この書類は上記研究課題の目的・方法等について説明するものです。
 私たち医師は患者さんに最善の診療、治療を提供するとともに、さらに優れた診療方法、治療方法の研究に取り組んでいます。
 現在の医療で行われる治療方法の多くは観察研究によって分析されることで、より優れた治療方法に改変されてきました。診療方法、検査方法に関しても同様に観察研究によって分析されることで、より優れた診療方法、検査方法に改変されてきました。観察研究では、あらかじめ定められた計画に従って治療や検査が行われ、それによって、治療方法、診療方法、検査方法の有効性が明らかになった場合は、将来あなたと同じ病気の患者さんの治療、診療、検査に大きく役立つことになります。
 担当医師からの口頭での説明のほか、この説明書を読み、わからないことについてはいつでもどんなことでも遠慮なく質問し、研究の内容を十分に理解したうえで参加するかどうかを決めてください。担当医師からの説明及びこの文書を最後まで理解して、この研究に参加してもよいと思われた場合には、同意書に署名してください。

1. 研究実施計画

(1) 研究の実施について
本研究の実施については、大阪医科大学研究倫理委員会へ申請し、研究機関の長の許可を得たうえで実施しております。

(2) 研究の目的と意義
目的:
上腕骨近位骨端線離開の発生および既往が小学生・中学生・高校生・大学生野球選手の上腕骨後捻角度に影響を及ぼすかどうかを明らかにすること。
意義:
野球選手では、投球側の上腕骨後捻角度が非投球側に比べて増加していることが知られており、その主な原因は少年期における繰り返しの投球動作であると考えられています。一方で上腕骨近位骨端線離開(リトルリーグ肩)も少年野球選手の投球動作によって起こる損傷の一つですが、上腕骨近位骨端線離開(リトルリーグ肩)が投球側の上腕骨後捻角度の増大の原因になりうるかどうかは明らかでありません。本研究では、上腕骨近位骨端線離開の発生および既往が小学生・中学生・高校生・大学生野球選手の上腕骨後捻角度に影響を及ぼすかどうかを明らかにします。

(3) 研究の対象者として選定された理由
あなたが対象者として選定されたのは、下記①~③のいずれかに該当するためです。
①上腕骨近位骨端線離開(リトルリーグ肩)の治療を行う小学生・中学生野球選手
②小中学生の時に上腕骨近位骨端線離開(リトルリーグ肩)の治療を行った小学生・中学生・高校生・大学生野球選手
③これまでに肩痛の既往がない小学生・中学生・高校生・大学生野球選手

(4) 研究の方法と研究期間
研究の方法:
 土居整形外科で上腕骨近位骨端線離開(リトルリーグ肩)の治療を行う小学生・中学生野球選手(リトルリーグ肩治療群)、小中学生の時に上腕骨近位骨端線離開の治療を行なった既往のある小学生・中学生・高校生・大学生野球選手(リトルリーグ肩既往群)と我々が行っている野球検診において肩痛の既往がなく、リトルリーグ肩群の選手と年齢、硬式野球歴、ポジション(投手と野手の割合)のマッチした小学生・中学生・高校生・大学生野球選手(コントロール群)に対して上腕骨後捻角度を超音波診断装置と電子角度計により計測します。得られた結果から統計学的手法により、リトルリーグ肩治療群、リトルリーグ肩既往群とコントロール群における上腕骨後捻角度の左右差(投球側-非投球側)の比較検討を行います。
 リトルリーグ肩治療群については、土居整形外科で上腕骨近位骨端線離開(リトルリーグ肩)の治療を行う際に本研究への参加をお願いし、同意が得られれば同日に上腕骨後捻角度を計測します。
 リトルリーグ肩既往群については、土居整形外科で小中学生の時に上腕骨近位骨端線離開の治療を行った既往のある選手が同院を何らかの理由で受診された際に本研究への参加をお願いし、同意が得られれば同日に上腕骨後捻角度を計測します。
 コントロール群については、我々が毎年行なっている野球検診の際に検診項目として得られた計測結果を用います。
 原則、リトルリーグ肩既往群の選手に対しては、土居整形外科に来院された際の症状に対しての治療のみを行い、本研究のために計測された上腕骨後捻角度の結果によって追加治療を行う予定はありません。また、コントロール群の選手に関しては無症状であるため治療を行う必要はありません。

対象者の方に協力してもらう内容:
両側の上腕骨後捻角度を超音波診断装置と電子角度計により計測させていただきます。

研究期間: 研究実施許可日 ~ 2025年9月1日

(5) 対象者に生じる負担並びに予測されるリスク及び利益
負担:本研究に参加されることにより、上腕骨後捻角度を測定するために約5 分間の時間を要する見込みですが、対象者の方の負担にならないよう、できる限り速やかに検査を行います。また、上腕骨後捻角度測定のために超音波検査装置を使用しますが、これによる費用は発生しません。

利益:上腕骨の後捻角度の左右差を知ることによって、肩関節の可動域計測を行う際に上腕骨の後捻角度による影響を除外した可動域の評価を行うことができるようになります。上腕骨後捻角度を除外した可動域を知ることは軟部組織の拘縮の評価に有用であり、被検者自身の障害予防に役立てることができると思われます。

2. 研究に関する試料(情報)の利用と保存ならびに廃棄の方法について

(1) 試料(情報)等の利用について
本研究では、対象者のカルテ(診療情報)もしくは検診の際に記入いただいたアンケートの回答から過去の肩痛や治療歴の有無に関する情報を利用させていただきます。また、診察もしくは検診の際に計測した肩関節の理学所見(可動域、筋力など)に加えて、計測させていただいた上腕骨後捻角度を研究の情報として利用させていただきます。
また、本研究で利用させていただく情報のうち、土居整形外科にて得られた情報については、個人情報がわからない状態で大阪医科大学に送付いたします。大阪医科大学整形外科学教室で統計学的な解析がなされることになっています。
また、本研究で利用させていただく研究情報については、対象者の方の同意が得られた場合、将来、別の研究に利用(二次利用)させていただく場合があります。その場合は、改めて研究倫理委員会へ申請の上で、研究を実施いたします。

(2) 試料(情報)等の保存と廃棄について
上記(1)で記載した研究の情報「(診察及び検診結果のデータ・上腕骨後捻角度等)」については、研究期間終了後、2025年9月1日まで保存いたします。保存が必要な理由は、学会発表及び論文発表のためです。診察及び検診結果のデータ、アンケートはPDFファイル形式に変換してハードディスクに保存し、データを保存したハードディスクは大阪医科大学整形外科医局内の鍵付きの保管庫で管理します。保存期間終了後、匿名化をしたうえでデータを消去します。

3. 研究における医学倫理的配慮

(1) 自由な選択の保障
当該研究への参加については、対象者の方の自由な意思で決めてください。参加された後でも同意を撤回すること(途中でやめること)が可能です。参加に同意されない場合、また、同意を撤回された場合でも、対象者の方が不利益を被ることは一切ありません。また、今後の診療や検診への参加に影響が出ることもありません。

(2) 個人情報の取り扱い
 当該研究で取得する要配慮個人情報とは別の試験(研究)番号を各症例に割り付け、個人情報(患者ID)と試験番号の対応表を電子ファイル(エクセルシート)で作成し、本研究に関わる研究者のみしかログインできないようにパスワードを付けてUSBフラッシュメモリに保存し、大阪医科大学整形外科学教室内に保管します。匿名化した診療情報および画像データは外付けハードディスクに保存し、大阪医科大学整形外科学教室内に保管します。研究成果を学会発表あるいは論文に投稿する場合、個人を特定しうる情報に関してはこれを公開することなく、またプライバシーはいかなる場合も保護されます。
 対象者の方(その代理人)より本研究で保有する個人情報の開示を求められた場合には、対象者の方(その代理人)の同意する方法により情報を開示いたします。

(3) 健康被害の補償
当該研究は、観察研究のため健康被害は生じません。

4.費用について

(1)被験者の新たな費用負担について
研究目的に上腕骨後捻角度を測ることに関しての費用負担はありませんので、当該研究に参加することにより対象者の方に新たな費用負担が増えることはありません。(ただし、土居整形外科を受診した際に本研究に参加される方に関しては、受診理由となる疾患もしくは障害に対する診療費用については、通常どおり対象者の方が加入している健康保険にて支払っていただくことになります。)

(2) 研究資金拠出元と利益相反
本学は、臨床研究を含む自らの研究成果について積極的に地域社会へ還元することで、社会から求められる研究拠点を目指しております。一方で、研究に関連して研究者が企業から経済的利益を得ている場合には、研究の成果が歪められる、または歪められているとの疑念を抱かれる可能性が出てきます。このような利益相反の状態を適切に管理し、研究の透明性、信頼性および専門性を確保していることを社会に適切に説明するため、本研究は、本学の利益相反マネジメント規程に則して、実施されております。当該マネジメントの結果、本研究に関して開示する事実がない旨をお伝えします。

5. 研究結果

(1) 研究に関する情報公開の方法
患者様(あなた)を特定できないように対処したうえで、当該臨床研究の成果を学会や論文等で公表します。また、対象者の方(代諾者)の希望により、他の対象者の方の個人情報保護や当該臨床研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、当該臨床研究計画及び当該臨床研究の方法に関する資料を入手又は閲覧できます。

(2) 研究成果による特許権等
本研究の成果により特許権が発生する可能性はございません。

6. 研究者名

所属 職名 氏名
研究責任者 整形外科 助教 長谷川 彰彦
分担研究者 整形外科 准教授 三幡 輝久
共同研究者 土居整形外科 院長 土居 宗算
土居整形外科  リハビリテーション科職員 伊藤 敦

7. 問い合わせ等の連絡先

大阪医科大学 整形外科学教室
(大阪医科大学附属病院 整形外科)
担当者: 長谷川 彰彦
住所:〒569-8686 高槻市大学町2番7号
電話:072-683-1221(代表) 内線:2364 (PHS 6475)

 

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