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第1足根中足関節不安定性に対するX 線学的検討―屍体標本を用いてー

研究の目的:

 第1中足足根関節(第1TMT 関節)は強固な関節で、線維性組織で結合しています。近年、外反母趾変形の増悪因子や術後再発の要因として注目されています。
 外反母趾に対する治療法として手術療法があり、主に第1 中足骨を骨切りして変形を矯正する骨切り術と第1 中足趾節関節(第1MTP 関節)や第1TMT 関節で変形を矯正して固定する関節固定術があります。
 骨切り術は中等度から重度の外反母趾に対し施行され、その利点として関節機能の温存が挙げられますが、欠点として変形の再発や内反母趾などの術後合併症が危惧されます。その原因として第1TMT 関節の不安定性が報告されており、術前に第1TMT 関節の不安定性を正確に評価し、術式を検討することは術後合併症を防ぐために重要と考えます。
 これまでに矢状面で第1TMT 関節の不安定性を評価した報告はありますが、背底面で評価した報告はありません。本研究で第1TMT 関節の動きと単純X 線背底像での関節面の形状との関係を明らかにすることで、第1TMT 関節の不安定性と外反母趾との関係の解明、さらに本研究の結果が術式選択の一助となることで手術成績の向上に繋がると考えられます。

研究の対象:

2021 年7 月から2025 年3 月までの期間に本学解剖学教室で学生実習に利用させて頂きますご遺体の足部足関節を研究に利用させて頂きます。本学では、5 例10足を予定しています。

研究の方法:

 ご遺体の足関節以遠を使用します。鋼線で足部を固定用の木板に固定し、第1TMT 関節を構成する内側楔状骨は固定し、第1 中足骨は運動できる状態とします。第1TMT 関節の各運動時のX 線を撮像し、画像として抽出し解析します。抽出する情報は、通常の診療情報と同様に厳重に管理され、個人を特定できる情報が漏れることはありません。研究結果は、個人を特定できないように対処したうえで、学会や学術誌で発表される予定です。本研究は基礎研究ですので、参加することによる直接的な利益や不利益はありません。また、本研究へ参加することで、新たに発生する自己負担はありませんし、謝礼金などもありません。
 対象者のご親族(あるいは代理人)の申し出により、他の対象者等の個人情報保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、研究に関する資料を入手や閲覧できますので、ご希望される際は、下記の問い合わせ窓口までご連絡ください。

利用し、又は提供する試料・情報の項目
試料: ご遺体の足部足関節
情報: 診療記録等、足部足関節のX 線像

研究期間:

研究実施許可日 ~ 2025年3月31日

研究者名:

  所属 職名 氏名
研究責任者 整形外科学 講師(准) 嶋 洋明
研究分担者 整形外科学 大学院生 平井 佳宏

参加拒否の申し出について:

ご遺体の試料や情報を研究に利用させて頂くことに対する問い合わせ、参加拒否を申し出たい場合は、下記の連絡先までお願いいたします(対象者の代理人及び後見人からの申し出も受付いたします)。参加拒否の申し出をされた場合は、研究の対象から削除し、研究利用をいたしません。しかしながら、研究結果が出た後の参加拒否の申し出については、研究の対象から削除することができかねますので、予めご了承ください。

問い合わせ窓口:

〒569-8686 大阪府高槻市大学町2番7号
大阪医科薬科大学 整形外科学教室
担当者 平井 佳宏
     嶋 洋明
連絡先 072-683-1221(代) 内線2364

 

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