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半月板治験プレスリリースのご報告

大阪医科薬科大学整形外科学教室  大槻周平

 2015年から大学院生、グンゼ株式会社とともに研究開発を開始した半月板scaffoldは、2016-2018年AMED(日本医療研究開発機構)の医工連携推進事業に採択されました。その後、臨床応用を目指すべく、PMDA(医薬品医療機器総合機構)と会議を重ね、2021年初旬、探索的治験の段階へ進むことを許可していただきました。同年4月に大阪医科薬科大学治験IRB(倫理委員会)の承認を受け、5月、第1例目の半月板scaffold移植を行いました。その後も症例を重ねていますが、患者様たちの術後経過も良好で、炎症反応や関節水腫の合併症もなく、順調な回復が確認できておりますので、中間報告として、共同研究先のグンゼとともに9月16日にプレスリリースさせていただきました。今後、2022年末から全国規模の検証的治験を目標にしています。
  半月板損傷に対する本邦での手術治療は、縫合修復と、(部分)切除しかありません。半月板(部分)切除術はいまだに年間2万件程度行われており、切除すれば、隣接する関節軟骨へのストレスが増え、変形性関節症への進行が懸念されます。縫合不能な半月板損傷に対して、できるだけオリジナルサイズの半月板を修復することを目的に、このscaffoldを開発しました。

半月板scaffold移植後の写真

 

 同門の先生や、近隣の先生からは、たくさんの患者様をご紹介いただきありがとうございます。今後も良い報告ができるように尽力してまいりますので、引き続きのご支援の程よろしくお願いいたします。

移植手術の風景。左から池田邦明先生、大槻、田中敬先生

 

関連リンク
京都新聞
化学工業日報
産経新聞(デジタル版)
プレスリリース(PDF